追悼:フランソワーズ・サガン。

honeywest2004-10-01

先月24日、フランス文学界のイコンFrancoise Sagan(フランソワーズ・サガン:本名フランソワーズ・クワレーズ:写真上:69歳)が心不全のため死去した。
ソースはhttp://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/3688296.stm
彼女は数年前から病気がちで入退院を繰り返していたという。先週初め容態が悪化し、フランス北西部ノルマンディ地方の町Honfleur(オンフルール)の病院へ入院していた。友人と息子に看取られたという。
1954年Saganは18歳のとき、絶望した若者へのアンゼム(賛歌)"Bonjour Tristesse(悲しみよこんにちは:Hello Sadness)"でデビューし、瞬く間に世界的ベストセラー作家となった。その後も"A Certain Smile(ある微笑)""Incidental Music(ブラームスはお好き)""The Painted Lady(厚化粧の女)"などの作品を生み、フランスを代表する作家となった。発表した小説は30以上、戯曲は10点以上にのぼる。バレエ台本やシャンソンの作詞も手がけていた。
破天荒な生き方で知られ、故ミッテラン前大統領と親交を結ぶ一方、90年と95年に麻薬で執行猶予付きの有罪判決を、02年には脱税で有罪判決を受けた。
Jacques Chirac(ジャック・シラク)フランス大統領は、"フランスは最も輝かしく、感受性に満ちた作家の一人を失った。彼女は精密さと機知によって人間の精神と情熱を探求し、ひいては女性の地位向上に寄与した。彼女は世代を代表する存在だった。"と彼女の死を追悼する声明を発表した。
映画ファンとして知られるフランスのJean-Pierre Raffarin(ジャン=ピエール・ラファラン)首相も彼女の死に追悼の意を示し、"a smile - one that was melancholy, enigmatic, distant, and yet joyous(微笑み - それは物悲しく謎に満ちはるかなるものだが、人々に喜びを与える)"と彼女の作品にちなんだ粋なコメントを発表した。
1935年Saganはフランス南西部ロート県カジャルクの裕福な家庭に生まれた。
ソルボンヌ大学を中退し、7週間で書き上げた"Bonjour Tristesse"を発表し、フランスの批評賞を受賞した。5年後には世界20カ国以上で翻訳され、400万部のベストセラーとなった。父と再婚相手の仲を裂こうと試みる少女Cecile (セシル)を主人公にしたこの作品はハリウッドで映画化され、Cecileを演じたJean Seberg(謎の死を遂げた伝説の女優ジーン・セバーグ:写真下右)の髪型(セシル・カット)が流行するほどの大ブームを巻き起こした。この映画のタイトル・デザインはその道のパイオニア、Saul Bass(ソウル・バス)が手がけている。

From the Journals of Jean Seberg [DVD] [Import]

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