ブラック・ダリア(エリザベス・ショート)殺人事件

1947年1月15日午前10時を少し過ぎた頃、ロス市内39thとノートンの角の空き地で、若い女の全裸死体が発見された。
その死体は腰で真っ二つに切断され、下腹部には縦に深い傷が残され、顔は痣だらけのうえに口が両端から耳まで切り裂かれ、乳房には煙草の火を押しつけられた跡や切り傷があるなど、身体中にかなりの損傷が見られた。また死体は完全に血抜き、洗浄され、遠目にはまるで人形のように見えたという。
被害者は22歳のElizabeth Short(エリザベス・ショート)で、スターになるという薔薇色の未来を夢見てハリウッドにやって来たものの、娼婦に身を落としていたことがわかった。
彼女は黒髪で、いつも黒い服を身につけていたことから、"ブラック・ダリア"と呼ばれていた。マスコミはこの愛称に飛びつき、彼女は本名よりもブラック・ダリアとして有名になった。
警察上層部の政治的な思惑もあり、大々的な捜査が行われるが捜査は難航する。事件は迷宮入りし、彼女の死はいまだミステリーとしてアメリカ人の興味を引き付け、半世紀以上たった今でも事件の関連本が発売されたり、CNNで特集番組が放送されたりしている。