長崎佐世保小6女児カッター殺人と映画"MAY"

honeywest2004-06-18

長崎佐世保小6女児カッター殺人の報道が連日TVや雑誌で取り上げられている。その殺人の手口はTVの2時間ドラマや映画"バトルロワイヤル"に影響を受けたものらしく、"バトルロワイヤル2"のDVD発売やカッターを使った殺人シーンの含まれるドラマの放送は軒並み延期となっている。
私がこの殺人の手口を聞いたときに真っ先に思い浮かべたのは2004年4月24日公開の映画"MAY"である。この映画のストーリーは以下の通り。
内気でコンプレックスいっぱいの女の子メイ。子供のころから周りに馴染めず、唯一の友だちは母親がくれた人形のスージーだけ。そんな彼女は成長し、初めて恋人と親友を手に入れる。しかしメイの唇を噛みきるほどのキスに怖じ気づき、恋人アダムはメイを避けるようになる。そしてキスを交わした親友ポリーも自分以外の女性と関係しているのを知り、傷ついたメイはアダムの手やポリーの首など、それぞれの美しいパーツを集めて人形を作ろうとする・・・
メイがポリーの首を手に入れる際、メス→カッターや目隠しをしていないなどの違いはあるがあごを少し上に向かせて後ろから首を切るという、加害女児とほぼ同じ切断方法を用いている。次々に知人を殺して入手したパーツを縫い合わせ、愛でるメイは確かに異常だが「どうしても自分を一番に思ってくれる友達が欲しい。」という切ない思いからくる行動なので、見ている側は胸が締め付けられるような痛みを覚えるはず。誰もが青春時代にちょっとした疎外感を感じることがあるからだ。しかし加害女児にはなんの共感も出来ない。その行動が他人に対する憎しみからきているからだ。もちろん両方ともやってはいけないことに変わりはないが...。
この映画はホラーというより青春映画に近い趣で、狂気のメイ役Angela Bettis(アンジェラ・ベティス)や軽い女友達ポリー役のAnna Farisアンナ・ファリス)などが代表作といっていいほどのはまりっぷりを見せている。
あの事件の報道加熱ぶりを見て、この映画までDVD発売禁止になるのでは...と少し心配になってきた。
"MAY"日本公式http://www.maythemovie.jp/